研究会「ミスコンセプションからシチズンサイエンスへー教育を変える 天体・気象分野の事例からー」が開催されました。
2022.09.14
公開研究会・オンライン開催(2022年7月20日)
第1回研究会「ミスコンセプションからシチズンサイエンスへー教育を変える 天体・気象分野の事例からー」(7/20)が開催されました。
7月20日に行われた里山学研究センターの第1回研究会では、「ミスコンセプションからシチズンサイエンスへ ―教育を変える 天体・気象分野の事例から―」というタイトルで里山学研究センターの研究員である滋野哲秀先生が講演をされた。ミスコンセプションとは直訳をすると「誤った概念」となるが、滋野先生は中高生や大学生を対象に天体や気象をテーマにした問題(例えば、太陽と木星は地球からの距離はどちらの方が遠いか)を題したとき、そのほとんどが間違った答えを出すという。これらは元々思い違いをしているということもあるが、学校の教科書などに載っている図などから間違った認識を持つSchool made Misconceptionがあるという。ミスコンセプションを解消するためにはこれまでの知識伝達系の教育から探究的な学びへの転換が必要であり、これを学校だけでなく外に広げる(保護者や一般市民も加えて学者と議論を交わす)ことによりシチズンサイエンス(市民科学)へと展開をしていくことが重要であるとした。現在、シチズンサイエンスの基盤は不足しているため多様なネットワークを構築しながら今後の可能性を探っておられ、学校を基盤としたシチズンサイエンスを展開していきたいとした。
また、龍谷大学農学部の多賀優先生からは地学の分野でのミスコンセプションが紹介され、シチズンサイエンスが子供だけでなく大人の正しい科学的概念を持つことが出来るとコメントをした。
その後、参加者から意見や質問が出され、活発な議論が行われた。